「今年こそは新しいことを始めよう」と決意しても、三日坊主で終わってしまう……。そんな経験、誰にでもありますよね。今回ご紹介するのは、そんな「続けられない悩み」を科学の力で一掃してくれる一冊、堀田秀吾氏の『科学的に証明されたすごい習慣大百科』(SBクリエイティブ)です。

この本は、人生を変えるための習慣化のテクニックを112個も掲載されているところです。この本を読めば、あなたにあった習慣化の方法が見つかるかも?
① 本の概要:世界最高峰の研究機関が導き出した「正解」
本書の著者、堀田秀吾氏は明治大学教授であり、言語学や心理学、脳科学などの広範な知見を持つスペシャリストです。著書は70冊を超えており、シカゴ大学言語学部博士課程、ヨーク大学オズグッドホールロースクール修士課程等を修了しており、ここに書くには書ききれないほどの経歴をおもちの方です。
この本の最大の特徴は、著者の個人的な経験則ではなく、ハーバード、オックスフォード、スタンフォードといった、世界の名門大学や研究機関で行われた膨大な論文データをベースにしている点です。「科学的に効果が証明された習慣」が網羅されており、根性論に頼らない、まさに「人生の攻略本」とも言える一冊に仕上がっています。

堀田先生の経歴もさることながら、数多くの論文や研究結果をふんだんに盛り込んだ1冊に仕上がっています!
② なぜ「習慣化」はこんなに難しいのか?

新しいことを始めようと最初は努力します。毎朝ランニングをする、寝る前に日記をつけるなどなど・・・。しかし、三日坊主に終わり習慣化する前に挫折することなんてざらでしょう。その原因は意志が弱いからではありません。実は、人間の脳には「現状維持バイアス(ホメオスタシス)」という強力な仕組みが備わっているからです。
なぜ現状維持バイアスが起きるのか?
この心理が働く理由は、主に3つのメカニズムに分けられます。
1. 損失回避(Loss Aversion)

人間には「何かを得る喜び」よりも「失う痛みを2倍近く強く感じる」という性質があります。新しい習慣(早起きなど)を始めようとするとき、脳は「健康」という利益よりも、「睡眠時間を失う」という損失に強く反応してしまいます。
2. 未知への恐怖
脳にとって「いつも通り」は、少なくとも今日まで生き延びられた「安全なルート」です。一方で「新しいこと」は、何が起こるかわからない「危険なルート」と認識されます。たとえそれが良い変化であっても、脳は生存本能として拒絶しようとします。

3. 認知コストの節約

新しい行動には「どうやるか」を考えるエネルギーが必要です。脳は非常に省エネな臓器なので、何も考えずにできる「今の習慣」を維持して、エネルギー消費を抑えようとします。これは狩猟時代から続く体の正常な反応で、エネルギー消費という体へのストレスを少しでも抑えようとした行動になるのです。
この現状維持を望む本能に抗うには、気合ではなく簡単なきっかけ(トリガー)を作ることが不可欠です。脳が「変化」だと気づかないほど小さな一歩から始めるのが、科学的な正攻法なのです。
③ 挫折を防ぐ!習慣化するための3つの黄金ルール
本書で紹介されている、習慣化を加速させる具体的な3つの手段を分かりやすく解説します。
「まず動く」:作業興奮を利用する
「やる気が出たらやろう」は間違いです。脳の側坐核は、実際に体を動かし始めることで初めてドーパミンを出し、やる気を発生させます。一度考えてしまうと、その時点で体は行動を止めるブレーキがかかってしまいます。思いついたら考える前に行動することです。
例:朝目覚めた時に、今起きようか考える前にすぐに掛け布団を剥いで起き上がる。
「If-Thenプランニング」:既存の習慣に便乗する
「AをしたらBをする」というルールをあらかじめ決めておきます。すでに脳に定着している回路(習慣)を利用するのがコツです。そうすることで、習慣を新しく作るよりもストレスが小さいです。
例:歯を磨き終わったら(既存)、その場でスクワットを3回やる(新規)。
「環境を利用する」:意志の力に頼らない
人間は環境に左右される生き物です。努力を必要としない環境作りをするのです。行動を起こすために環境を整えようとすると、環境作りにストレスを覚えてしまうからです。
例:仕事から帰って勉強したいなら、出かける前にデスクに筆記用具とノートを準備しておく。

私は毎日日記を継続するために、仕事に行く前に机に日記帳を広げて置いておきます。そうしたことで、以前よりも欠かさず記録するようになりました!
④ 意外!?自分をアップデートする「有益な習慣化」のコツ
本書には、一般常識とは少し異なる面白いテクニックも多数掲載されています。その中で、私が特に活用したいと思った手段を3つご紹介します。
「インターリーブ」で集中を維持する
一つの作業を延々と続けるより、別の作業をちょくちょく挟む方が学習効率が上がります。脳に適度な刺激(変化)を与えることで、飽きによるパフォーマンス低下を防げます。
「あえて乱雑な場所」で作業する
整理整頓された場所は「規律」を生みますが、少し散らかった場所の方が「創造性」が高まるという研究結果があります。クリエイティブなアイデアが必要なときは、あえてカオスな環境を選んでみましょう。
「三人称」で自分を客観視する
「私は今、サボりたがっている」ではなく「(自分の名前)は、今サボりたがっているようだ」と三人称で考えます。心理的距離を置くことで、感情に流されず、冷静に目標に向かうことができます。
⑤ まとめ:今日から「科学の力」で自分を変える
『科学的に証明されたすごい習慣大百科』は、私たちの「変われない」という思い込みを、確かなデータで打ち砕いてくれます。
大切なのは、大きな目標を掲げることではなく、科学に基づいた小さな仕掛けを生活の中に散りばめること。まずは「歯を磨いたついでに、スクワットを一回やる」といった、あまりに簡単すぎて失敗しようのないことから始めてみませんか?
一冊読み終わる頃には、あなたの習慣、そして人生の質が劇的に変わっているはずです。


