歳を30も重ねると結婚というステータスの有無を気にする人は多い。
結婚とは,男女が一つの家庭を作ることが社会的に認められる,いわば契約だ。お互いの歳が離れていようが,子どもを先に作ってしまおうが,それぞれが相手を人生の伴侶だと納得しているのならば周りの意見は関係ない。大切なのは,家庭を作る二人の気持ちなのだから。
政府の愚策悪策によって少子化が騒がれてる中であっても,結婚をしない選択肢を取る人が増えても,反対に添い遂げたいと思う人も一定数いるだろう。
「結婚そのものがしたい」「子どもが欲しい」ーーー結婚したいと思う理由は人それぞれだが,結婚しなくても希望をもって生きていくことができることは伝えておきたい。
友人が結婚して幸せな家庭を築いている姿を見れば,羨ましく感じ,自分も同じような水戸を歩みたいと思うことがあるかもしれない。血を分けた子どもを産んで育てたい欲望も生まれるだろう。だが,それは果たして本当に自分の心から湧き上がったものなのだろうか? 周囲の環境に取り残されているような感覚から,結婚というステータスを求めているのではないのか?
家庭をもつことで愛する人を支える責任が伴う。それは足枷ではなく,生きることへの希望や活力を与えてくれるだろう。だからこそ,結婚している人が成熟した大人に見えてしまう。それは間違いではない。しかし,結婚しているから苦しいこともある。一人になりたい時に誰かがいて心休まらない。子どもを習い事に通わせたり食事を作ったりして疲労やストレスが溜まってしまう。
無論,辛いこと以上に家庭には多くの幸せがある。愛する人と笑い合ったり,子どもの成長を見守ったりする瞬間は何にも代えがたい喜びだ。ならば,今一人でいることは不幸なのだろうか? 独身だからこそ,趣味に没頭する時間があり,仕事に情熱を注ぐ余裕もある。
何かに憧れるということは,今を生きる現実では物足りないことを示している。憧れはそれに少しでも近づくための努力を行う原動力になる。それによって,目の前の幸せを見逃してはいないだろうか。
周りの状況変化に焦ったり落ち込んだりすることはない。結婚しなくても幸せは掴み取ることができるのだから。