SNSの投稿で炎上する例は現代において珍しいことではなく、小さな着火剤でも火柱が聳え立つことが非常に多い。
木下優樹菜が、実姉が働いていたタピオカ店とのトラブルを、本人がDMで店側に不適切なメッセージを送り炎上し、芸能活動に支障をきたした。くら寿司では、アルバイトが食材をゴミ箱に捨てる動画がSNSに投稿し、削除されるも拡散。世間の批判が集中し、企業が謝罪。株価も一時暴落。東京オリンピックでは、開閉会式演出メンバーの過去の不適切言動(いじめ・差別発言など)がSNSで掘り返され、大炎上し辞任が相次いだ。芸能、一般・スポーツ等、業界の種別に関わらず批判の元になる素材は数え切れないほど存在しているのだ。
炎上の中には、自身の生活に全く影響を及ぼさないものと及ぼすものがある。芸能人の不適切発言や不祥事は、この地球で起きている些事にすぎない。しかし、企業側(アルバイト等企業内の立場が低い役職の有無に関わらず)から発信された炎上は、食品衛生上の問題の浮上や品質低下の原因等、お金を支払うに値しない判断から敬遠することもある。
炎上などない方が良いに決まっている(現代的意味でも物理的現象でも)。炎上することで一度注目を集め人気を得る炎上商法なるものも存在するが、自身の人間性を下げても得たい人気の先に未来なぞない。燃えているものはいつか鎮火するのだから。
SNSが生活に強く浸透したことにより、これまでテレビや新聞等の通信会社が支配していた情報の独占と統制が終了し、個人が多種多様な情報を共有することができるようになった。(オールドメディアと政府が国民を欺いてきた根本的な問題はここでは棚に置いておく)それに伴い、情報元のソースの脆弱さや質の低下が起こっている。フェイクニュース然り、個人の不祥事然り。
炎上が起こるということは、裁定者ではない個人が善悪の判断をしているということ。しかもそれが不特定多数かつ匿名であることが恐怖でなくなんなのだろう。原因論、発火元が正しさをもっていれば炎上など起きることはない。だが、人はあまりに未熟で主観でしか自分を見つめることができない。
しかし、執行機関がすぐに動いてくれるわけもなく、我々国民が悪(と思われるもの)が蔓延らないように監視していかなくては平穏が成り立たないのも事実。これからさらに1984のような世界に進まないことを願うばかりだ。

