【本紹介】『「のび太」という生き方』横山泰行 人はのび太からたくさんのことを学べる!【自己啓発】

本紹介

 日本に住んでいてドラえもんを知らない方はいないでしょう。

 1969年に漫画雑誌で投稿されてから,今もなお愛されている国民的作品の一つですね。ドラえもんがどんなキャラクターなのかという無粋な質問にはお答えしませんが。

 作品に欠かせない人物は無論ドラえもんですが,もう一人欠かせない人物がそう・・・のび太です!

 いつも何をやってもだめ。ジャイアンにもいじめられて,ドラえもんの秘密道具にたよりっぱなしなこのキャラクター。こんな子にはなりたくないと思うでしょう。

 しかし,『ドラえもん』には,のび太が秘密道具を借りて様々なことを解決(?)する過程で様々な失敗・愚行が描かれています。しかし,その中には確かな成長を見ることもできます。そんなのび太から人生の教訓・歩み方を教えてくれる1冊をご紹介します。

 『ポケット版 「のび太」という生き方』著:横山泰行 出版:アスコム

「のび太」とはどんな人物なのか

 のび太について,多く語ることはないと思うほど,『ドラえもん』の作品は古今東西知れ渡っています。

 簡単にまとめると,

・運動も勉強も苦手な小学5年生
・何かあるとすぐにドラえもんの秘密道具に頼る
・いつもジャイアンやスネ夫にいじめられる

・運動も勉強も苦手な小学5年生
・何かあるとすぐにドラえもんの秘密道具に頼る
・いつもジャイアンやスネ夫にいじめられる


 といったように,悪い点ばかり思い浮かびますよね。自分がのび太だったらどうなっていたか,なんて想像したくもありませんよね(笑)。

 しかし,そんなことはありません。のび太にも良いところはたくさんあります。

のび太の良いところ「相手の良いところを素直に認める」

 その一つに,妬んだり悪口を言わずに,相手のよいところを素直に認める点です。

 スネ夫がデパートで買ってきたきれいな音色を出す鈴虫を自慢しました。のび太は,うらやましいと思いますが,妬みや悪口はおくびにも出しません。むしろ,なにくそと感じながら自分でよい音色を出す虫を探そうとします。

 のび太は,たとえ意地悪や自慢をされても,「逆に見返してやろう」「今に見てろ」とエネルギーに変える反骨心をもっています。

 生きている中で嫌なことなんてごまんとあります。それをのび太は自分のためにベクトルを変換できるんですね。

「のび太」にとって秘密道具はどんな存在なのか

 のび太は,ドラえもんの秘密道具で様々なことをしてきました。それによって大きなトラブルに見舞われたり,失敗に終わることもしばしばありました。

 なんでそんな秘密道具を貸したんだ!とドラえもんに一言伝えたい気持ちになったこともあるでしょう。

 そんな多種多様な秘密道具は,実はのび太の隠れた長所を引き出していたのです。のび太にちょっと足りないところを後押ししたり,のび太の中に眠っている優しい一面を引き出したりする,きっかけを作ってくれたのです。

 映画では,そんなのび太のやさしさや勇気が見られますが,それは今までのび太が秘密道具の力を借りて難局を乗り越えてきた積み重ねがあったからなのです。それを「映画だからだろ」と一蹴されてしまってはちょっと悲しいですが・・・。

 本人は自覚していないでしょうが,のび太にとって,秘密道具は単なる便利な道具ではありません。

 隠れた長所や勇気を引き出してくれる存在なのです。

「のび太」から学ぶ人生の生き方とは

 さて,前述したように,のび太の良さや秘密道具の意味を伝えてきましたが,のび太から人生のいろはを学ぶことができるのでしょうか。

 『ドラえもん』の一つ一つのエピソードや秘密道具には,作者の様々な思いが込められています。友情愛情自然愛護などを感じられる話も多いです。

 話の中で,のび太の行動や心情を追っていくとこれまた面白いです。

 例えば,作品を読んであこがれたシャーロックホームズセットを借りて,しずかちゃんがなくした道具を探します。しかし,実はその作品はのび太が勝手に借りていたもので,どこかでなくしてしまったことがわかるのです。

 最後は失敗(というか自分の過失)で終わっていますが,思い立ったらすぐ行動できるのはのび太の長所です。なぜなら,失敗を気にせずにまずはやってみるという行動力をのび太はもっているのですから。

 のび太だからこそもっている姿勢から,私たちが学べることはたくさんあるのです。

まとめ

 私はこの本を読んで,『ドラえもん』という作品がより好きになりました。改めて漫画を見返してみたら,一話一話に込められたメッセージをもっと感じて読むことができることが楽しみです。

 ただ,藤子・F・不二雄先生がこの本に書いているようなことを全て考えて書いたかどうかは定かではありません。この著者の想像・憶測で語られていることもあるでしょう。

 しかし,『ドラえもん』の作品によって学んだことはあるし感動もしました。この本には,『ドラえもん』という漫画を通して感じてほしいことや,読者にもそうなってほしいという願いのようなものが込められていると感じました。

 また,それぞれのトピックごとに作中のエピソードを例にしているのですが,その内容も分かりやすい!読んだことのない話であっても,そのお話が頭で想像できるくらいに読みやすかったです。

みなさんも,改めてのび太,そしてドラえもんを知ってみてはいかがでしょうか?

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