皆さんは,「まあいっか」で楽に生きる術を知っていますか?
私は今まで,「こうしなくてはいけない」だとか,「この日までにこの仕事を終わらせなくては」と,無意識のうちに自分を追い込んでいました。しかし,この本を読んで,「あっこんな生き方もあるんだ」と感じ,書いてあることと同じように生きることはできなくても,不思議と心が軽くなりました。
今回は長年マレーシアに住んでいた著者,野本響子さんの『東南アジア式「まあいっか」で楽に生きる本』(文藝春秋)をご紹介します。
マレーシアという国とは?
上記の通り,野本さんが暮らしたマレーシアと日本の,人々や暮らしの様子を比較して,日本ではあり得ないマレーシアの常識や生き方をまとめております。マレーシアの人々は比較的ゆるくてしっかりできていない面があるように見られますが,多くの人々がにこやかで幸せそうなのだそうです。
そもそもマレーシアとはどんな国なのか?
Wikipediaではこのようになっております。この文を見ただけでは実際どうなっているかがわからないですよね。では筆者が実際に住まわれた際に見たマレーシアはどのような国だったのでしょう?
色々なことにゆるい国!?
マレーシアは色々な面でゆるいところがあるそうです。
生活の場面で言うと,マレーシアで電車が遅れるのは当たり前で,30分以上の遅延があっても特に連絡や詫びの放送はないそうです。日本で,ほんの2,3分遅れただけでもすぐに連絡が入り,ましてや30分以上も遅延していたらそれだけ遅延してしまったらニュースなるほどのおおごとですよね。
仕事の場面で言うと,ケンタッキーにチキンがなくてもすぐに対処しなかったりそのまま営業したりするそうですが,そのことに対してとやかくクレームを入れるお客さんもいないそうです。また,会社での会議に社員が遅刻したり,取引先が来ずに中止となる例もあるそうです。日本でこんなことがあったら,会社の顔に傷がついたり非のある相手に好印象をもつことはできないでしょう。
他にも様々な場面でゆるいと感じることが多く,日本ではもはやあり得ないことばかりだと思います。しかし,だからこそマレーシアはストレスに多くとらわれることなく,幸せを感じている人が多いのではないでしょうか。
マレーシアと比べて日本はどう?
日本はとてもいい国です。
インフラは整っているし,人は礼儀正しいし,テレビやインターネット,商業施設などのエンタメも充実しているし,とてもいいと思います。
しかし,実際に暮らしている人々を見ているとどうでしょう。毎朝の通勤ラッシュに揉まれるサラリーマン,家事育児に疲れたお母さんやお父さん,公園で遊んでいる子どもたちの声を騒音として苦情を入れる地域住民。それは日々,悪いニュースばかりを見てしまっている印象もあるのかもしれませんが,筆者が見た日本は辛そうな人がいると感じています。
それはどうしてなのか?
様々な責任・世間に縛られている実態
電車が時刻通りに到着するのは当たり前,お客様は丁寧な言葉遣いで無理な要望でも答えるのは当たり前,子どもがいるなら親はいつも気にかけ不便なく育てるのが当たり前。仕事にしろ家族にしろ,何かしらの責任があり役割を全うするのは当たり前のように過ごしていますが,責任や世間の目に押しつぶされてしまってはいませんか? それらを全うしなければ困ることも多いでしょうし,生活自体ができなくなる場合もあります。
しかし,そんな当たり前に縛られて心を苦しめている現状もあります。仕事に追われ責任を問われ精神的に病んでしまうなんて話はもはやありふれた話です。私自身も仕事で心を苦しめられ適応障害に陥ったことがあるので,同じ経験をした人の気持ちを痛いほどわかります。
母親という家庭での役割を課され,家事育児は女がこなさないのは良くない,なんてことは昔の話ですが,いまだにその印象が残っています。事実,男が育児休暇をとるにも一苦労です。
人々は今の生活を続けるために自分を犠牲にして自分で自分を苦しめていく。 生活を人質に取られ,自由を手にすることができないのかもしれません・・・・・。
この日本の状況は良くないのか?
結論,そんなことはありません。日本の「おもてなし」の精神やこれまで義務教育で築き上げてきた常識が,「世界で一番安全な国」と言われる事実を作っているのですから。実際,マレーシアでもサービスの向上等日本に近い様子になっている部分もあるそうです。
そのような日本の良いところを残しつつ,ちょっとしたミスやうまくいっていないことに対して寛容の精神をもつことで,今以上におおらかな人間性を形作るのではないでしょうか。
私がこの本で一番グッときた一文があります。
自分が当たり前だと思うことは,相手にとっては当たり前ではなく,むしろ暴力として振る舞っていることもあると気づきました。だからこそ,多少のことはまあいっかで済ませ,許す姿勢をもつ必要があると感じました。

まとめ
いかがでしたか? マレーシアという国や人々の様子を知るだけで楽に生きる方法が見つけることができました。無論,ここで野本さんが発見した事実や方法を書くことはできません。一度この本を手に取って,今以上に楽な生き方を見つけてみませんか?
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