私には幼稚園の頃から知り合いの女性がいる。いわば幼馴染だ。当時はそこまで仲が良いというわけではなかったが、彼女とは妙なつながりがある。例えば、小学1年生の初めての体育の授業で彼女のプラスチック製の筆箱を踏んづけて壊してしまったり、校内の合唱コンクールでは、自分が指揮者で彼女が伴奏者だったり。このようなちょっとした縁に意味をもたせたがるのは、ライトノベルを読み過ぎた高校生の妄想の様相を呈しているが、現に今も二人で酒を飲みにいくこともある。
では、その相手と恋仲になったこと、またこれからなることはあるのか。
その可能性は非常に低い。

現在のこの関係に満足しており、それが壊れることが怖い!
と、男女の友情を保ちたい人々は言うだろう。私はそもそも、彼女に対して恋慕を募らせることをしていない。大切な友人の一人として、たまに同席した際に愉快な時間を過ごせればいいだけなのだから。
ここで本題に立ち返ろう。
永遠に正解を得ることのできない問い。
男女の友情は成立しますか?
男と女、友情と愛情を語る上で一度は議論した人もいるのではないだろうか。友情とは、友だちと呼べる他人と固い信頼関係を築くこと。そこに利己的な目的は存在しない。一緒にいて楽しいと思えるから付き合い続ける関係だ(楽しいと思いたい気持ちが利己的なのかもしれないが)。
私の結論はこうだ。

男女の友情は成立しない!
幼馴染の女性と二人で会っているのだから、これが男女の友情の姿なのではないか、と思っていただいていたら嬉しい限りだ。しかし、人間の中に性欲があるかぎり異性と友情を保つことは非常に難しいと思っている。

二人だけで会って何もないのなら、友情は成立しているんじゃないの?
否、ただ性欲を抑えて友情のような関係を保っているだけなのだ。
無論、常に情欲しているわけではないが、自分が男で女性と二人きりでいる限り、どこかで生物としての本能が揺さぶられることは私だけではないはずだ。
仮に男女の友情があったとしても、それは非常に不安定な状態で維持できていると言っていいだろう。それを本人たちは気づいている。しかし見て見ぬふりをしているのだ。友情を築いている相手に欲情するなどよくない。相手に失礼だ。誠意を保とうと必死なのだ。
だが、性欲だけが人生の全てではない。「友だち」として一緒にいて楽しい、そう感じる異性はいるだろう。不安定な関係であるのは間違いないが、それを保ちたいと思うのも友だちとして誠実な姿勢ではないだろうか。


